超高齢化社会が生んだ悩み
突然だが、私は姉と二人姉妹である。
また、母一人っ子であり、母方の祖父は長男である。
この、一見どうでも良い事実が
私達姉妹に小さな、しかし確かな懸念を生んでいる…
それは、
将来、墓どうする?問題、である…!
母方の墓、仮にI家の墓とする。
I家の墓はかなり年季が入っており、自分の祖父母以外に誰なのかよくわからんが、とにかく骨壷がギチギチに詰められている状態だ。
現在はお盆の際や祖父の命日などに母が墓参りをし、それなりに手入れ等などしているようだ。
私の父は次男なので、本来であれば私の両親も新しく墓を建てるものなのだろうが、二人にその気はなく、そのままI家の墓に入るつもり、らしい。(骨壷が入り切るかどうかはちょっと置いておいて)
私も姉も既に実家を出て結婚しているので、I家はもう滅亡まっしぐら、墓を継ぐ人はいない。(そもそも父も婿養子に入ってないし)
別にそこに特段の思い入れはなく、私の両親も婿養子をもらえと言うわけでもないので、
まあ、両親が死んだら墓じまいしよっと
くらいに思っていた。
そんな折!
このコロナ騒動真っ只中の、今年の春。
母方の祖母が死んだ。91歳だったので、完全に大往生!悲しいというよりはお疲れ様、の気持ちが強かった。
そして少し前に、ごく親しい親戚のみで集まり納骨をした。
久しぶりに訪れるお寺、謎にめちゃくちゃ良い位置に陣取っているI家の墓。(別にすごい檀家とかではないので偶然だと思われる)
ギチギチの骨壷を見ながら手を合わせる、確かにおじいちゃんもおばあちゃんもここにいるんだな、と思った。
少し話が逸れるが、祖父母がかつて暮らしていた家はもうない。
祖父が10年前に死んでから5年くらいは祖母が一人で住んでいたが、段々と弱っていくのを見て母が自分たちの家に呼び、更に弱ってしまったところで病院と施設と行ったり来たり…という感じだった。
そして祖母が寝たきりになるかならないかくらいのときに大きな台風があり、祖父母の家は浸水被害にあってしまったのだ。
誰も住んでいなかったのは不幸中の幸いだったが、家の中は泥だらけになり、家財道具などはほぼ全て処分してしまった。
家屋自体はまだなんとなく残してあるが、人が住める状態ではないしそのうち取り壊す以外の選択肢はないだろう。
それで、墓じまいもしてしまったら。
私が祖父母と過ごした思い出は何もなくなってしまうというか、同居していたことがあるわけではないので帰る場所がなくなるとは少し違うのだが、こう、
あ、この場所にもう来ることはなくなるのだな…と、少し寂しい気持ちになってしまった。
じいちゃんと一緒に行ったお祭り…
じいちゃんがフィルムケースに500円玉たくさん貯めておいてくれて、それをとりせん(近所のスーパー)のゲームコーナーで使ったな…
じいちゃん、私達のためにお米乾燥させておこし作ってくれたな…
そして
ばあちゃんは私達に隠れて一人で桃食ってたな……
そう思うと、急いで墓じまいしなくても良いかな、とちょっと思った。
私の両親が、長生きしたとしてあと30年弱…そのあと私が少し手入れなんかして、気が済んだ墓じまいすれば良いじゃないか。
そうすると40年後とか?
え、待って私71歳…?!
下手したらもうすぐ死ぬ、いや下手したらもう死んでる死んでる。
ボケボケしてるうちに自分が死ぬ、それだけは絶対にだめだ。
そうすると私の息子が管理するはめになる、会ったこともねえようなじじいばばあがギチギチ入った墓にいちいち足を運ばせるなんて、未来の息子の奥さんに申し訳なさすぎて私死んでも死にきれない!
そうかこうしてみんな墓じまいに悩んでいるわけだな。
私には幸い姉がいるので、姉と話し合って決めて行けば良いのだけど。
でも、やっぱり感傷に浸らず!
さっさと閉じよう!墓!!